災害医療とは何かを知ろう

災害医療というと、「災害が起こった場所で行う医療のこと?テレビドラマでもよく見るよね」と現場のことを全く知らない人からすればこの程度の知識しかありません。災害医療とは、需要が供給を上回るような状態で行う医療のことを言います。大きな地震や津波が日本でもあったのは記憶にあるでしょう。地震は今も頻繁に起きています。このような自然災害やテロといった人的災害が起きた時は、大量の傷病者が出ます。そうすると、医療の需要が一気に高まります。しかし、被災地の病院は同じように被害に遭っており、医療が提供できません。そのため医療資源が乏しい中で適切な処置を行う災害医療が必要不可欠なのです。

需要が供給を圧倒的に上回っている時、どうすれば良いかというと需要を減らし、供給を増やすことで均衡が保てます。そのためには災害医療の現場ではどうすれば良いかですが、トリアージが行われます。トリアージは重症度によって順番を付けることで、重症であるが助かる見込みがある人から順番に手当を行うということです。これは、限られた医療資源を有効に使うという考えからで、できれば全員を診たいのだけれど、医療資源が足りないので順番を付けますよということなのです。そして、現場にいる患者を減らすために、ヘリコプターや救急車などを使って、受け入れ可能な病院へ搬送していきます。また、現場では安定化療法といって最低限の医療資源で容態を安定させ、医療資源が揃えば根本治療に移るようにします。これらが災害医療の現場で行われていることです。多数の傷病者の救命と、後遺症を少なくすることが現場で目指していることです。